親知らずの抜歯

親知らずの治療は、歯茎の切開を伴う口腔外科という専門分野に属します。一般的な虫歯治療とは異なり、高度な専門知識と技術が必要です。
一部の方々は、親知らずの治療が一般的な虫歯治療と同様にどの歯科医院でも行えるものと誤解されていることがあります。しかし、実際には専門性が求められます。
当院では、「口腔外科の専門家」が在籍しており、複雑な生え方をする親知らずの治療にも対応しています。経験豊富な専門医師が治療を担当することで、経過が良好になり、トラブルが少なくなる傾向があります。安心してご相談ください。

個々のケースによりますが、実は抜歯しなくても良い親知らずが存在します。例えば、「上に真っ直ぐ生えている」「特に痛みがない」「歯磨きが問題なくできる」場合などです。
一方で、斜めであったり、一部だけ露出している場合は、一般的には「抜歯」が推奨されます。これは、そのまま放置すると、周囲の歯や歯茎に影響を及ぼす可能性があるためです。
「親知らずを抜くのが怖い」という患者さんは、自身のケースがどのような状態に該当するのかを、一度詳しく歯科医師と相談いただくことをお勧めします。その上で、最適な治療計画を立てることが大切です。

抜歯のメリット

・磨き残しがなくなる
・虫歯・歯周病予防になる
・食べ物が詰まりにくくなり、口臭予防になる
・頬の粘膜を噛むことがなくなる
・違和感がなくなる

抜歯のデメリット

・治療後に腫れることがある
・抜歯後は一時的に食事がしにくくなる

当院では、リスクを最小限に抑えるために、様々な対策と先進の機器を活用しています。親知らずの治療における後遺症のリスクは極めて低いですが、ゼロではありません。稀に顎の神経が損傷し、神経麻痺が生じる場合があります。
そのため、後遺症のリスクを減らし、確実かつ安全な治療を実現するために、コンピューター機器などの先端技術を活用した環境整備も重要です。

精密な治療を可能にする「CT装置」

顎の中には、歯や骨だけでなく、多くの血管や神経が通っています。親知らずの抜歯では、患者さんの顎の状態を詳細に分析し、損傷を最小限に抑えるために細心の注意が必要です。通常のレントゲンでは二次元（平面）でしか確認できず、情報が不足してしまいます。
「CT装置」では、撮影画像をコンピューター処理し、顎の骨や血管、神経の位置関係を三次元（立体）で再構成します。当院では治療前にこの「CT装置」による観察と分析を実施し、手術中に血管や神経を傷つけるリスクを最小限に抑え、患者さんの安全性を確保しています。

妊娠中の治療では、母体と胎児の安全を最優先に考える必要があります。特に親知らずの治療では、レントゲンや麻酔、痛み止めなどの使用に関して、胎児に影響を与えないように慎重に配慮する必要があります。そのため、痛みや不快感を我慢しながらの治療が必要な場合もあります。
早めに親知らずの治療を行うことで、リスクを最小限に抑え、快適な妊娠生活を過ごすことができます。

抜歯に小顔効果はありますか？

親知らずを抜くと、一時的に顎が細くなるケースがございます。しかし、見違えるほどの効果はありません。

抜歯の際、痛みはありますか？

麻酔が効いたうえで治療を行うため、痛みはほとんど感じません。

抜歯後の痛みや晴れなどはありますか？

抜歯をしてから1～3日間は痛みや腫れのピークが続きます。また、麻酔が切れる前に鎮痛剤を服用し、痛みを抑えることが可能です。

どんな親知らずでも対応可能ですか？

難症例などの場合でも基本的に対応可能です。しかし、心臓病を持っている方や全身麻酔でなければ治療できない方などの一部のケースでは、大学病院をご紹介させていただく場合もあります。